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2011 #1

〜この馬で重賞を、そしてクラシックを!・・・嶋田賢オーナーとホエールキャプチャ〜

 明けましておめでとうございます。
 今年もますます、オーナーの皆様、そしてファンの皆様に、夢を持ってもらえるような素晴らしい馬たちを、ここ千代田牧場から送り出して行きたいと思っています。そのためにも、私もひとつ歳を重ねますが、昨年以上に元気に走り回るつもりです。スタッフ一同、皆様のお越しをお待ちしております。今年もどうぞよろしくお願い致します。

 さて、昨年は皆様のおかげでJRA53勝、生産者ランキング4位という好成績を残すことができました。特に最後の12月は10勝を挙げ、多くの馬が掲示板に載る活躍をしてくれました。
 その中の1頭、12月18日の小倉競馬第7レース芝2600mに出走したのがドリームセーリング。16頭立ての1番人気で、颯爽とハナに立つと、そのまま逃げ切ってゴールしました。強かった!父はクロフネ、母はグローバルピース(母父サンデーサイレンス)。そうです、ホエールキャプチャのお兄さんです。デビュー当初から芝の長いところを使っていましたが、勝ち上がるのに時間がかかり、初勝利は1800mのダート戦でした。その後、芝の長い距離に戻り2着、2着、3着。そしてこの日、2勝目を挙げてくれました。


1歳の頃
 全兄のこの勝利は、ホエールキャプチャが東京競馬場でのクラシック第2弾オークスに向かうときの、心強いデータとなってくれるはずです。クロフネ×グローバルピースという血統の距離適正を証明してくれたと思っています。グローバルピースの母エミネントガールの父は英ダービー、そして凱旋門賞を勝ったナシュワン。祖母はエリザベス女王杯の勝馬タレンティドガールです。そんな千代田ゆかりの血統だから、特にうれしいのです。

 ホエールキャプチャは早くからその才能を見せてくれました。5月に美浦の田中清隆厩舎に入り、坂路調教を始めると、「すごいのがいる」と評判に。「あの馬の下はどうなの?」と、美浦の調教師から聞かれたほどですが、残念なことに全妹1歳はその頃に亡くなってしまいました。朝、厩舎に行くと、馬房ですでに息がなかったのです。死因は若馬には珍しい冠動脈破裂。ホエールキャプチャが初勝利を目指し、函館に出発する直前の出来事でした。彼女には、そんな亡き妹の分も走ってほしいと願っています。



 ホエールキャプチャのオーナーは、千葉県銚子市在住の嶋田賢さん。銚子市にある総合病院の院長で、馬主歴は30年以上にのぼります。名前を付けてくださったのは同じく医者である、嶋田オーナーのご友人です。“ホエールキャプチャ”の由来は、「父クロフネから連想した、黒船来航の理由を想像して」とのこと。1853年、横須賀市浦賀沖にやってきた黒船の目的は、太平洋での航海、捕鯨の拠点として日本に開港を迫ることだったようです。その頃、欧米諸国は日本沿岸を含む世界中の海で、捕鯨を盛んに行っていました。・・・なるほど、血統を連想させる良い名前ですね。

   昨年12月12日の阪神ジュベナイルフィリーズには、出走するホエールキャプチャを応援するため、嶋田オーナーご家族と共に、名付け親であるそのご友人の方も阪神競馬場にいらして下さいました。
「G1に出走するのは初めてです。まるで夢のよう・・・」と嶋田オーナー。
 そんな嶋田オーナーに、ぜひともG1勝ちをプレゼントしたかったのですが、結果は直線で二度包まれる不利がありながらも2着でした。でも、レース後の池添騎手のコメントが
「位置取りが逆だったら、勝っていたと思う」
という頼もしいものだったので、同じ阪神競馬場で行われる桜花賞、そして東京競馬場でのオークスに望みをかけたいと思います。何より、まだ重賞勝ちの経験がないという嶋田オーナーに、ホエールキャプチャでG1を勝って欲しいと願っています。



芦毛の車体。ホエールキャプチャ号
2011年1月1日デビュー!


2011年が皆様にとって幸せな一年でありますよう、心からお祈り申し上げます。
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