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2011 #8

〜牧場で働こうフェア・・・今年は私も参加しました〜

 慌ただしかった7月がようやく終わりました。
 セレクトセールならびにセレクションセールにおきましては、ご購買下さいましたオーナー、関係者の皆様、ご支援頂きました皆様に、心よりお礼申し上げます。

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 セリで嬉しいことのひとつに、新たなオーナーとの出会いがありますが、先月27日に東京競馬場で行われた「牧場で働こうフェア」では、未来の千代田牧場を担う若者たちとの出会いがありました。

  牧場としては昨年に続く参加で、私自身が面接担当として千代田牧場のブースに座ったのは今回が初めて。朝5時半に牧場を出て会場に向かいましたが、同フェアで講演をされた角居調教師はもっとツワモノでした。前日は牧場で一緒に蕎麦をすすっていたので、千歳から直接羽田に飛ぶものだと思っていたら、一度栗東に帰って朝の追い切りを見てから12時には会場入りというハードスケジュール。彼には敬服の念を抱かずにはいられません。

 さて、フェアに参加された皆様は、牧場の仕事をどう捉えたでしょう。大変そうに思えたでしょうか。魅力的に映ったでしょうか。牧場で働くことに興味がありながらも、フェアに参加できなかった方もたくさんいることと思いますので、今回のコラムは私からそういった方たちへのメッセージとしたいと思います。

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 2009年9月の私のコラムの冒頭はこんな書き出しでした。
「刈り取る前の牧草に埋もれ、寝転がって大きな空を見上げてのんびりと一人の時間を楽しむ。そんなゆったりした時間も昔はあったような気がします。」
 日高一の牧場となった今は、昔と比べて格段に忙しくなりました。ですが、私にはそんな忙しさも楽しく思えます。それは私が馬が大好きで、この仕事が大好きだからです。

 馬が好き。牧場で働こうとする多くの人は、きっとそんな気持ちを持っているはずです。ただし、牧場の仕事は馬と触れ合うことではありませんし、趣味の世界でもありません。生き物相手の仕事ですから、当然時間外のこともあります。また、現場の仕事の多くは、牧柵の修理や放牧地の整備、草刈などの肉体労働です。好きというだけでは続かない厳しい面もありますが、手間も厭わない情熱は、好きだからこそ生まれるもの。今回、牧場で働くことが決まった人たちには、その気持ちを大切に、日々精進していって欲しいと思います。

 もう一つ大切なのは、牧場は馬を通していろいろな人たちが出会う場所であるということです。オーナー、調教師、獣医師、関連業者、そして一緒に働くスタッフたち。オーナーに喜んで欲しいから、丹精込めて馬を育てる。気持ちよく牧場を訪れて欲しいから、厩舎をきれいにしておく。元気に挨拶をする。いつも感謝とおもてなしの心を忘れずにいて下さい。一人一人の意識次第で牧場はもっと良くなります。

 今回、千代田牧場のブースにはさまざまな学部や専攻から、たくさんの学生が訪れてくれました。牧場で働くのに、学歴や専門は関係ありません。かといって、それまでに培ってきたことが無駄になるわけではありません。どうしたら強い馬をつくれるのか、個々の馬にはどうしてあげるのがよいのか、考えることはたくさんあります。また、身体を動かすことが好きな体力自慢の人、機械いじりが好きな人、大工仕事が好きな人、いろいろな経歴の人がいて、それぞれの力を活かせるのが牧場の仕事です。

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 新千歳空港から1時間半。緑に囲まれた日高の牧場ですが、私たちは競馬を通してエンターテイメントと経済の一端を担い、世界とも繋がっています。この仕事には正解も、これでいいという上限もありません。あるのは夢です。夢を実現しようという情熱を持った人たち、ぜひ千代田牧場で働いてみませんか。

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