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2013 #8追悼 Unbridled's Song
セレクトセール前の6月のコラムで、Unbridled系の上場馬7頭をピックアップしてご紹介致しましたが、同系を代表する世界的種牡馬Unbridled’ Songが先月26日に亡くなりました。 Unbridled’s Songが種牡馬入りした当初からの繋養先であるTaylor Made Farmとは、当場の繁殖牝馬を預託してもう20年以上の付き合いになります。私がUnbridled’s Songの株を持っていたのもそういった縁からでした。 Unbridled’s Songの他に、私が株を所有していたのが2011年に種牡馬を引退したA.P. Indyでした。最盛期の評価額は一株300万ドル。種牡馬の父として、母父として偉大な功績を残しました。この2頭のおかげで今も米国での生産を良い形で続けることができています。米国で生産し、1歳秋に日本に持ってくるという形では、今週レパードSに出走するサトノプリンシパル(父の父A.P. Indy)や、現2歳でデビューから3着、2着ときているペガサスジュニア(母父A.P. Indy)などが活躍中です。 *     *     *     *     *
Unbridled’s Songのラストクロップとなる来年の当歳。今受胎している繁殖Rintervalはアイルランド生まれ。逃げ馬ですが、並ばれてからの勝負根性がすさまじく、20戦19勝という歴史的名馬となったZenyattaの18連勝が懸かったGTでは、ファンが最後の最後までハラハラしたほどの粘りでクビ差の2着。また別の重賞でもチャンピオンスプリンターInformed Decisionに直線早々に並びかけられながらアタマ差の2着と、見応えのあるレースをする馬でした。鑑定では牡馬を受胎していることがわかっており、日本で皆様にお目見えするかもしれません。 このRintervalの初仔である1歳牝馬は日本で競馬をさせようと思っています。父はBellamy Road。偉大な2頭の種牡馬が引退した今、私がシェアホルダーとして新たに期待している種牡馬です。現役時代は7戦4勝。ケンタッキーダービーの重要な前哨戦であるGTウッドメモリアルSを2着に17馬身半差をつけるレコードタイムで圧勝しました。古くはNative DancerやBold Ruler、そしてSeattle Slew、近年ではUnbridled’s Song、エンパイアメーカー、Tapitなど数々の名種牡馬を輩出してきたレースです。2011年に産駒が同レースに優勝して父仔制覇を成し遂げたほか、産駒は短距離から長距離まで、芝・ダート・オールウェザーのどの馬場にも対応しています。 もう1頭、期待しているのが今年から種牡馬入りしたShacklefordです。2011年のプリークネスSなどGI3勝。このコラムでも何度かご紹介した通り、姉のレディジョアン(GTアラバマSの勝馬)を09年の繁殖セリで購入したことが縁で、現役途中にシェアの話を頂きました。先行力とスタミナ、気性は激しいけれど、それがこの馬の強さでもあります。初年度の今年は、サンデーサイレンスの肌馬をはじめ4頭に種付けしました。どれかを日本に導入したいと思っていますので、楽しみにして頂ければと思います。 *     *     *     *     *
残念ながら亡くなってしまったUnbridled’s Songですが、これからも母父として当場を支えてくれることでしょう。当場の2頭の肌馬、初仔からOP馬を出しているスパークルジュエルも、初年度からディープインパクトの良駒を出したバディーラも、どちらもまだ若い繁殖です。どのSS系種牡馬でも配合できる貴重な血統。毎年Taylor Madeへお墓参りに行った際にいい報告ができるよう、日本で大事に発展させていきたいと思います。 暑い日が続きます。どうぞ皆様、お体にお気をつけ下さい。 |
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