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2013 #91歳馬たちも始動……馴致って格闘技!? この夏の異常気象、皆様無事に乗り越えられたでしょうか? 今年も早生まれの牡馬から、まず10頭の馴致に取りかかりました。
当場の方法を簡単に説明すると、
1. えりあげ(結上げ) 2. ロンジング
3. ドライビング
4. 馬房内騎乗
5. 丸馬場騎乗
6. 馬場入り
この時期にある程度、各馬の性格が出ますね。例えば現3歳のタイセイドリーム。馬場入りしたばかりで、初めて課される運動量に他の馬はバテてお疲れモードの中、1頭平然と余裕の顔で運動をこなしていました。「これは大物だ!」と思ったのですが、頭がいいんでしょうね。競馬では終始能力を出し切らずに遊んでいる模様・・・。500万下で2着が続く小牧太騎手の話では「まだまだ伸び代があるんやけど・・・」とのことでした。 騎乗馴致の他にも、馬運車に乗ること、障害物を跨ぐことなどを教えることはたくさんあります。馬運車に乗れなければ、美浦にも栗東にも行けません。輸送に弱い馬は競馬でも不利です。当場では離乳と同時に静内の本場から新冠の分場に移ります。その後もカントリー分場など数ヶ所の昼夜放牧の場を移動するため、大方の馬は馬運車での移動に慣れており、スムーズに乗ってくれます。また、馬房の出入り口に横木を置いて、出入りの際に必ず跨がせるようにしています。馬場では障害用の横木を2本、3本と増やしていき、歩いて跨いだり、飛び越えることを覚えさせます。 最近はトレセンでの調教技術同様、馴致の技術も向上していますが、昔は大変でした。まさに馬との格闘技だったのです。私が20代後半の頃・・・その頃の騎乗者の装備というと、ヘルメットのみでプロテクターなどない時代でした(今考えると恐ろしいですね)。ロンギ場といっても、現在のように周囲を高い壁で囲われていて馬と人が1対1で向き合える状態ではなく、普通の柵で囲っただけの直径16mほどの丸い馬場でした。砂を深くして馬を周回させ、バテたところで人が跨ります。疲れていても、馬は必死で人を振り落とそうとします。一方、乗り手は馬のクビにまいたロープ(我々は命綱と呼んでいました)につかまって、落ちないように必死でした。まさにロデオです。
一度、浦河の名門牧場からビゼンニシキの牡馬を預かったことがありました。私も血気盛んな年頃。必死でくらいつきましたが、振り落とされて後肢で顔面を強打されました。すぐに静内の病院に行くと、
1頭の馬がデビューするまで、一筋縄では行きませんが、馬とスタッフの安全に最大限の注意を払いながら、無事に厩舎に送り出せるよう努力しています。馬場入りまでスピーディに騎乗馴致が進むのも、入厩後早々とゲート試験に合格できるのも、その馬が生まれた時からきちんと馴致が行われているからなのです。さらには、その馬の母や兄姉のことを知っているからこそできる対応、それが総合牧場の強みです。 育成馬に跨る23歳の頃の私(57kg)。 馬はタケワカクサ(牡 父エリモシブレー) |
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