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2013 #12

新繁殖導入

 先月のコラムで宣言した通り、買ってまいりました。

カサブランカスマイル
Casablanca Smile

 カサブランカは大輪の花を咲かせるユリの女王。
 その名の通り、端正な立ち姿に品格の漂う顔つき、そして眼がとてもきれいな馬です。何より本馬はチリの芝馬のチャンピオン。チリのクラシック、エル・ダービーとラス・オークス(いずれも芝2400m)を制し、米国に移籍後も芝2400mで重賞とステークスを勝った、芝2400mのエキスパートです。

 特筆すべきは自在性で、デビューからの主戦場でオークスの舞台でもある競馬場は右回り。ダービーは初の左回り。いずれも1周が2100mを超え、直線が600m以上もあるコースで、中団・後方から直線だけで差し切る瞬発力を武器に、ダービーは6馬身差の圧勝。米国の小回りで直線が短い芝コースでは一転、逃げて最後にまた伸びる競馬で活躍しました。

  きょうだい2頭もチリGIの勝ち馬で、ほか2頭もGIで2着、3着があります。母は2011年のチリ年度代表繁殖牝馬を受賞しました。父方にHaloの血、母方にSadler’s Wellsの血が入っています。Mineshaftを受胎しており、偉大なるA.P. IndyとMr. Prospectorの血が入ることにより、どんな仔が生まれるかとても楽しみです。もちろん、来年はディープインパクトを…と考えています。

 さて、予想通りセリは活況でした。驚かされたのはファシグティプトンの営業力です。だいたいセリの一月前にカタログが出来上がっているわけですが、その後も前週のGI勝ち馬の母やきょうだい、いま話題の種牡馬の産駒、あるいはそれを受胎中の繁殖などが続々と追加されていきました。良馬を集めるために、セリ会社が積極的にオーナーに打診するのでしょうし、欠場したとしても規定が厳しくないため登録しやすいのでしょう。結果として登録221頭のうち58頭が欠場となりました。当日になって欠場が発表される馬もいて、遠方から参加するバイヤーからすると残念ですが、キーンランドでBCメア&フィリースプリントを連覇した馬が、上場当日にオーナーたちと別れを惜しんでいる場面に遭遇しました。オーナーにとっては、登録はしても上場するかしないかの判断を最後まで保留できることは、心情的にもビジネス的にもよいのでしょう。

 ちなみにレディジョアンの半妹Afleeting Ladyは、あちこちからビッドが飛びながら結局は270万ドルで主取りでした。270万ドル以下では売らないというオーナーの気概に驚愕…。半弟Shacklefordが種牡馬として上々な滑り出しをみせていることもあってなのでしょう。4年前にレディジョアンを手に入れられたのは幸運で、またとない縁だったと言うしかありません。

 今回さらなる縁で、レディジョアンの初仔Above Heaven(父Mr. Greeley)を落札しました。未出走で繁殖入りし、現在は第2仔となるForestoryを受胎しています。キーンランドBook2の初日で、帰国する日でしたが、上場のタイミングが運良く乗り継ぎの待ち時間と重なったため、空港のラウンジから電話で競ることができました。Book2以降は市場が落ち着いていたものの、予想以上に競り上がり、私もヒートアップ。翌日のThoroughbred Daily Newsに、レディジョアンからの繋がりが写真入りで載りました。本馬はケンタッキーに置いて、来年はTapitをつける予定です。


* * セリ場で見つけたあれこれ * *

英国紳士

先月のコラムに登場したFasig-TiptonのTerence氏。
まもなくセリが始まります。


白いキリン

直前まで報道陣のカメラに囲まれてじっとポーズをとっていたのですが(GI馬です)
一仕事終えてお腹が空いたか、クビをのばして木の葉をムシャムシャ。
落札価格は185万ドル。私もギリギリまで頑張りました!


足長おじさん

なるほど脚立を降りて移動させ、また昇るより
はるかに早くて身軽そう。笑顔も素敵です。



2013年のコラムもこれが最後。
今年も一年お世話になりました。心より御礼申し上げます。
忙しい季節ですが、皆様お身体を大切に良い年をお迎え下さい。
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