ホエールキャプチャ2017 ~ 離乳しました



お別れ前の1枚

 一緒にいるのはスレンダー母さん。じつはホエールキャプチャのチビには、芦毛のお母さんのほかにもう1頭、栗毛のお母さんがいました。

 チビを自然な形で生かすことを考えたとき、お乳の出ないホエールの代わりに人工授乳を続けるわけにもいかず、自由に青草を食べることのできない環境ではホエール自身の健康にも良くないので、乳母をつけることにしました。
 出産シーズンも終わりに近かったため、空いている乳母が見つからず腐心していたところ、スレンダーガールがお産。巡り合わせだっだのでしょうか、仔は生後直死。ホエールのチビがその命を引き継ぐ形になったのです。

 乳母といっても、すぐにお互いを受け入れられるわけではありません。繁殖牝馬としてはベテランでも、乳母としては新人の元競走馬。ふつう、乳母はサラブレッドではない温厚な種の馬が務めます。しかも仔を亡くしたばかりのストレスフルな状況で、別の仔を受け入れてくれるものなのか、心配は尽きませんでした。
 最初は乳母とチビを仕切りで分け、チビが頭をくぐらせて乳母のおっぱいを飲めるような空間があるだけの状態から始めます。チビが乳母のおっぱいを飲んでいるか、乳母がチビに危害を加えないか、加えてチビが誤嚥していないか、昼休みも当番をつけて様子を見つづけました。
 なんとかお乳を飲ませてはくれるものの、最初のうちはチビを威嚇するので、チビも遠慮がちに馬房のすみで様子を伺っていました。乳母もチビも、見守るスタッフも辛抱の日々でした。

 1週間ほどして落ち着いてきた頃、隣り合うパドックにそれぞれを分けて離し、またしばらく様子を見ました。乳母がチビのことを威嚇せず、チビの動きを気にかける様子が見られれば合格です。次は2頭同じパドックへと、ひとつずつ段階を踏んでいきました。
 そしてついに放牧地へ。命まで危ぶまれたチビが初めて放牧地に出る、というだけで感極まるものがありましたが、2頭が一緒に駆け回り、草をはみ、くつろぐ姿はすっかり親子のようで、忘れられない光景となりました。

 9月末、チビは離乳の日を迎えました。現在219kg。
 血統登録が終わったら馬名を申請しようと思います。「ホエールキャプチャの2017」という記号ではなく、自分自身の名前で、生きている証が残るように。

 9月なかばに岡田繁幸氏にお招きをいただき、1歳の調教を見てまいりました。その様子はこちらから。