2013　#7

セレクトセール上場馬紹介第２弾

　宝塚記念はゴールドシップが強かったですね。
　レース後、折り返し電話をくれた須貝尚介調教師は、
「ありがとうございます。これもたくさんの人に支えられての結果です」
とどこまでも謙虚。たくさんの人の期待に応えて、会心の勝利を挙げられたことにほっとした様子が伝わってきました。

　先日、牧場を訪れた尚介とゴールドシップの父、ステイゴールドの話になりました。 牡馬の評価は高いけれど、牝馬は？という質問に
「なかなかいいですよ。うちの厩舎にもステイの女の仔がいるけど、新馬戦勝ちますよ。」
その言葉通り、今年最初の新馬戦で須貝厩舎の牝馬レッドリヴェールが見事に新馬勝を決めました。

そんな頼もしい尚介からお褒めの言葉を頂きましたステイゴールドの牝馬をご紹介致しましょう！

315番　ハピネスフォーユー2013　牝　3/10生 父ステイゴールド　　母父A.P. Indy

　セレクトセールの315番、ハピネスフォーユー2013は、母父A.P. Indy、祖母の父にデインヒルが入っているため、ステイゴールドの牝馬ながらボリュームがあり、バランスの良い馬です。母は２歳秋の東京のダ1400で新馬勝を挙げました。デビュー戦の馬体重が492kg。産駒も母の雄大な馬格を受け継いでいます。

　帝王賞はホッコータルマエがかしわ記念に続いてＧＩ連勝。重賞５連勝を決めました。まだまだ強くなりそうです。
　キングカメハメハのＧＩ勝馬は７頭いますが、本馬をはじめ、ロードカナロア、アパパネ、ルーラシップなど５頭が非サンデー系です。 　ちなみにホッコータルマエの祖母の父は先月のコラムでご紹介したUnbridled。Unbridled系×キングカメハメハの配合は当場から２頭が上場します。上場番号93番のスパークルジュエル2012（母父Unbridled’s Song）と、116番のアンブライドルドブリーズ2012（母父Unbridled）。いずれも先月ご紹介しました。 宝塚記念２着ダノンバラードも母父Unbridled。繰り返しになりますが、セレクトセールではUnbridled系にぜひご注目頂きたいと思います。

　非サンデー系のキングカメハメハ産駒はもう１頭、当歳牡馬が上場致します。

477番　フォーチュンワード2013　牡　3/29生 父キングカメハメハ　母父デヒア

上場番号477番フォーチュンワード2013は、母父デヒア。母フォーチュンワードは２歳時５戦２勝。新馬勝の後、ダリア賞２着（１着スズジュピター）、芙蓉Ｓ優勝（２着スマイルジャック）、京王杯２歳Ｓは最後方から上がり最速の４着。歴代牝馬で唯一参戦した朝日杯ＦＳでは、レース中にヒザの板状骨折を発症しながらも６着に健闘しました。能失寸前の骨折でしたが、１年３ヶ月の休養の後、復帰７戦目の1000万特別で勝利を挙げました。
（詳しくは2009年11月のコラムでどうぞ）

　デヒアの肌は当場に他に２頭いますが、どちらもＯＰ馬を出しています。フォーチュンワードの生命力と精神力の強さが、母となってどんなスケールの馬を出してくれるか楽しみです。

　最後にもう１頭、私の一押しをご紹介します。

212番　エイムアットビップ2012　牝　3/21生 父アドマイヤムーン　母父アグネスデジタル

　母エイムアットビップは阪神ジュベナイルフィリーズを0.1秒差の３着、ファンタジーＳ２着と、２歳時の成績は６戦２勝２着３回３着１回。阪神の芝1200mのレコードを記録したスピードの持ち主です。前出のフォーチュンワードと同世代で、この世代の牝馬ＧＩ戦線は他に３頭出走馬がいました。フォーチュンワードが牡馬路線・朝日杯ＦＳを選んだのはそのためです（贅沢な悩み！）。
　イットーの血統が欲しくて、手に入れたのが曽祖母のカムイイットーでした。当時種付料1000万円だったトニービンをつけて生まれた牝馬には、「夢の配合」の意味でドリームクロスと名付けました。そのドリームクロスに私が種牡馬として期待していたアグネスデジタルを付けたのがエイムアットビップ。アグネスデジタルの初世代です。
　本馬が第２仔。２歳時に活躍した母に、仕上がりの早いアドマイヤムーン（先日のＴＶh杯はムーン産駒が１、２、４着！）。早い時期からの活躍が期待できますし、将来的には繁殖としてサンデー系のクロスを作ることができる点が魅力です。

　私が夢を追い続けてきたイットーの血統。あなたの夢を叶える１頭に加えて頂けましたら幸いです。

　いよいよ迫ってまいりましたセレクトセール。あいにく予報は雨模様ですが、皆様のご来場をお待ちしております。
雨宿りもカフェ千代田で！